ブコメ補完

ドライでウェットでクールでホット。

新人が捏造したピコ太郎の新作「PDCA」

昨年末、仕事も落ち着いて少し暇だったので、新人に「PDCAって分かってる?」と何気なく聞いてみた。分かっていたら褒めればいいし、分かっていなければ丁寧に教えてあげようと考えていたのだ。しかし、今考えれば浅はかな考えだった。回答は「分かっている」「分かっていない」の二択だけではなかったのだ。

新人はしばらく考えた後、「PPAPの新バージョンですか?」という答えを返してきた。

 

PPAP、ピコ太郎…。これはボケなのか?本気なのか?いや、それ以前にこいつ、質問を質問で返してきたぞ、疑問文には疑問文で答えろと学校で教わってきたのか?…などと頭を駆け巡ったが、一呼吸置いて、

「では、PDCAの“P”はなんの略かね?」

と明確にその答えが間違っていることは告げず、私は質問を続けた。間違っていることを指摘して、万が一「部長、冗談に決まってるでしょ。真に受けないでくださいよw」などと言われたら目も当てられない。私はユーモアの無い人間と認識され、あの部長は想像力に乏しい糞真面目な面白みのない人間だと、新人達が会社の愚痴を言い合うために作ったLINEの「2016年度社畜の会」グループを通じて瞬く間に他の新人にも共有されるだろう。その危険を回避するためには質問を続け、その間にボケか本気かを見極める必要があるのだ。

すると新人は「“P”は、やっぱりペンでしょう。そして…」と、まだ聞いてもいない残りの「DCA」についても語りだした。

「“D”はDeNA、“CA”がサイバーエージェントです。」

想定外。まったく想定外の答えで私は戸惑った。しかし、この流れで私の口から出せる言葉は一つしか無い。

「で、その心は…」

DeNAサイバーエージェントのキュレーションサイトが最近問題になりましたよね。あの問題が浮き彫りになったのは多くの人がSNSやブログで指摘したことが切っ掛けです。それはある意味“ペンの力”です。PDCAは、P(ペン)でDCA(DeNAサイバーエージェント)を貫くというピコ太郎の新作風刺ネタです。」

間違いない。こいつ、PDCAが分からないことを指摘されるのを回避するために大喜利で逃げ切るつもりだ。

このまま逃げ切られては、部長としての威厳を示すことはできない。しかし、私の脳は奇跡的に一筋の光を見つけた。

「いや、AbemaTVのCMをしているピコ太郎がサイバーエージェントディスることはないだろう。」

「なるほど。それもそうですね。」

新人はいささか感心したような表情をした。

かろうじて、部長としての面子を保った私は、本当のPDCAについての説明は諦め、足早にその場を立ち去った(逃げ出した)のだった。

 

社内で「PDCA」がうまく回らない理由TOP5 - リクナビNEXTジャーナル

こないだ新人に「PDCAって分かってる?」と聞いたら、「PPAPの新作ですか?」と真顔で言ってきたので「そうだよ」と答えておいた。

2017/01/05 17:26


こないだ新人に「PDCAって分かってる?」と聞いたら、「PPAPの新作ですか?」と真顔で言ってきたので「そうだよ」と答えておいた。 - yoiIT のコメント / はてなブックマーク